如春夜夢

発達障害児の子育て記録です。

病名

病名が変わるみたいですね。

ブコメでも少し書いたのだけれど。

 

「障害」を「症」に 精神疾患の新名称公表 (産経新聞) - Yahoo!ニュース

病気ではなく先天性の脳機能障害で、治療ではなくそのままで適応できるよう努めるのだから「症」が馴染まない気がする。当事者だけど「障害」で差別されてる気にはならないし。

 

こっちの方がまだ詳しいですかね。

子どもの病名、「障害」の多くを「症」に変更 (読売新聞) - Yahoo!ニュース

 

私がコメントしたのはあくまでも自閉、多動、学習障害についてです。

性同一性障害パニック障害などについては全然知見がないので何の意見も言えません。

 

えっと私も子どもが広汎性発達障害もしくは所謂アスペルガー障害の可能性があると言われたときに、

或る種のショックは受けましたが、それは「障害」という言葉の為ではありません。

「障害」→「症」に変わったところで子が抱えている特性が変わるわけではなし、そんなところに配慮されても困惑する、というのが正直な感想です。

 

しかし、世の中には「障害」と言われると大変な衝撃を受ける繊細な人がいるらしいです。

会ったことがないのでわからないのですが。

障害受容が難しいこと自体には同意しますが(私も苦労しています)、

言葉を変えたことによってそれが解決するとは思われないので、やっぱりよくわかりません。

 

うちの子に関わりのあるのは「アスペルガー障害」→「自閉スペクトラム症」というところですね。

うちの子は知能指数は高いがコミュニケーション能力は低いという典型的なアスペルガーのタイプです。

ここ最近、「発達障害」「ADHD」「アスペルガー」といった言葉は昔と違って随分認知されてきたように思います。

周囲の人に特性を理解してもらって受け入れてもらう、というのが重要なのに、

ここで病名が「自閉スペクトラム症」というあまり馴染みのないものに変わってしまうことにより、

返ってせっかくの理解が後退してしまうのではないか、という懸念も抱きました。

 

多くの人が「自閉症」と聞くと、カナータイプを思い浮かべるんじゃないかと思います。

しかし実際のところは知能指数や特性に幅があります。

だからスペクトラムなわけですが、一般の人には「うちの子、アスペルガーなんです」と言った方が理解されやすい気がしています。

 

また、自閉症は先天性の脳機能障害である、という事実。

これを私はわかってもらいたいのです。

親の躾の所為だ、育て方の所為だ、という誤解が自閉症児の親を苦しめてきました。

育て方に工夫をすることで社会に適応し易いように促していくことはできます。

でもそれは例えば耳の聴こえない方が手話を覚えたり読唇ができるようになったりするのと同様で、

あくまでもこの社会で生き易くするための工夫であって、治ったりなくなったりするわけではないのです。

病気ではなく障害なんです。

 

だから、やはり、障害→症という言葉に変えることの意義を私はあまり見出せません。

結局は人それぞれの感じ方で、どうしても「障害」という言葉が嫌な方もいるのかもしれません。

また、disorderを障害と訳すことにおける医学的な問題点などは知識が乏しいので意見を言えません。

あくまで、個人的な、感想として、です。